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【はんつ遠藤のラーメン教室】第1回:日本で最初にラーメンを食べたのは水戸黄門だった


ラーメン、それは明治時代に中国から流入した麺料理が原型となっている。だが、それ以前に日本で最初にラーメンを食した人が存在する。それが通称・水戸のご老公様、水戸光圀公(水戸黄門様)である。

2015年04月23日 更新
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ラーメン、それは明治時代に中国から流入した麺料理が原型となっている。だが、それ以前に日本で最初にラーメンを食した人が存在する。それが通称・水戸のご老公様、水戸光圀公(水戸黄門様)である。

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中国からの亡命者「朱舜水」が中華麺を振る舞う


江戸時代初期の1665年(寛文5年)の事。当時、中国の明から亡命した有名な樹学者の朱舜水(しゅしゅんすい)が長崎におり、光圀公は彼を招聘し、そのお礼にと中華麺料理を作って振る舞ったというわけ。現在の中華麺は“かんすい”を使用して作成するが、当時はもちろん入手不可能。

光圀公、初めて食べたラーメンを絶賛


朱舜水は中国から取り寄せたレンコンの粉を小麦粉に練り合わせて繋ぎにし、麺を作成した。スープはいわゆる日本でいうところの中華ハムである火腿(ふぉとい)と呼ばれる豚のモモ肉を塩漬け、乾燥、熟成させたものを用いて炊きだしたタイプ。そして具には“五辛”なるニラやラッキョウ(エシャロット)、ネギ、ニンニク、ショウガ(はじかみ)という薬味が添えられていたそう。光圀公はこのラーメンを「うどんのごとく」といいつつ、大いに気に入り、隠居していた西山荘で客人や家臣らにふるまった事が元禄時代の書物『日乗日記』に記されている。

ご当地「水戸藩ラーメン」を販売中


それから約350年後の現在、茨城県水戸市ではご当地「水戸藩ラーメン」として、当時のレシピをもとに再現し、「金龍菜館」など様々な店舗で提供中。また、当時の麺料理の膳を模したレプリカが新横浜ラーメン博物館に展示されているので、見学するのも良いだろう。


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フードジャーナリスト・はんつ遠藤


日本のラーメンだけにとどまらず、世界中のグルメに精通する。テレビ番組でのリポーターや、カップラーメン監修、雑誌でのグルメコーナー連載、更にはフー ドテーマパークのプロデュースや監修を行うなど、その活躍は幅広い。世界中のグルメを知り尽くす舌ならではの視点で、数多くの著書を執筆し、バラエティに 富んだ企画やイベントを実施している。