元料理人で現コンサルなラヲタ

40代/男性

・仏伊中印料理の元シェフで、現在はコンサルティングに携わっています。
・宅麺は主に製麺・スープ開発の参考用に利用しています。
・麺の加水率やスープの甘い、塩っぱい、辛い等は主観ではなく、全て検査器により数値化した絶対値及び相対値を元にコメントしています。答え合わせのご参考に。
・味覚検定チョコEASY・NORMAL・HARD全問正解(全問正解率1%)
・ラヲタ歴35年以上、春木屋・丸長・土佐っ子の味で育ち、家系直系・二郎直系・東池袋大勝軒直系は何周もしている元ガチ勢です。
・プラチナ会員ですが抽選販売は直近29回中26回落選、新商品は全滅で毎回先着販売で買っています。
・麺が解れない原因は強く固めているからではなく、打ち粉が少ないか、配送時の結露による麺表面の糊化が考えられます。コツとしては思い切って麺を取り出してレンチンし、軽く解して茹で直すと解決出来る場合があります。

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2024年08月01日

シンチャンという商品名からも分かる通り、山形で人気のケンチャンラーメンをオマージュしたつけ麺となっています。
煮干✕背脂の組み合わせでは似た属性に新潟の燕背脂系(燕三条系)もありますが、味を見れば判る通り、本品と燕系は麺もスープも似て非なる別タイプです。
 
という事でスープは煮干の苦味やエグみを抑えたライトな背脂煮干醤油清湯で、ケンチャンオマージュらしく醤油のキレがあり、
塩分濃度は約3.1%と海水並に強い反面、糖分濃度は約6.2%とやや控え目で、甘味よりも煮干と昆布と化調と豚背脂による濃厚な旨味が前面に出ています。
背脂はケンチャン系らしくプルプルの大粒状ですが、量は燕背脂系のようにたっぷりと浮かべられてあり、燕系とのフュージョン的な要素も多少感じられます。
 
麺は全粒粉使用の多加水手揉み縮れ平打極太麺。背脂煮干と太麺は燕背脂系でも見られる定番の組み合わせですね。
ツルツルの麺肌にブリブリとしたコシの強さが特徴的で、フワッと立ち上る小麦の香りと熟成麺特有の濃厚な甘みがあり、
ピロピロとした不規則な捻れがスープをしっかりと拾います。
 
付属トッピングは板海苔1枚と、チャーシューは豚ロースの大判レアチャに軟らかく煮られた大判豚バラロールが1枚ずつ。
ロースは低温調理なので湯煎厳禁ですが、麺を洗う用に水を張ったボウルにパックごと沈めておけば、
麺を茹でている間に解凍出来る上、水もつめたく冷えるので一石二鳥です。
 
ちなみに麺は手揉み後の冷凍なので多少千切れやすくなっており、
茹で始めてすぐに菜箸で解そうとしたり、洗う際も乱暴に扱うと、麺にキズが付きボロボロと短くなってしまいます。
 
茹で方のコツとしては、麺表面が全て浸る直径の鍋に2L以上のお湯を沸かし、
麺を入れたら菜箸などで一切触れず、沸騰状態のまま暫くは麺を対流で自由に泳がせ、
8分くらい経ったあたりで初めて菜箸で軽く解すようにすると、麺が千切れずムラなく上手に茹でる事が出来ます。
 
箸を入れるとデンプンが溶け出し吹きこぼれそうになるので、火力を少々弱めて泡を取り除きましょう。
差し水は温度を一気に下げてしまい茹でムラが出来るので厳禁です。

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